この世の中に出て、偶然に私を助けてくれた人達のことを思い出すと感極まり、嗚咽するまでに泣いてしまうことがあった。今日もそうだった。また、今日も助けられた。静かに風呂で泣いた。
気が付いたことは、私は悲しいから泣いているというより、悲しい時に助けてもらったのが嬉しくて泣いているのだということ。
悲しみの最中には涙は出難く、助けられて初めて涙がわいてくる。悲しみに憑かれた無様なものではなくて、人達への感謝に近いものだったのだと思うと嬉しくもあった。
自分を助けてくれた人達を思い出すと、皆同じ色をしていた。その人達が常にその色ではないのかもしれないけど、その瞬間は目の奥が透き通って綺麗で、色というより温度に近い感覚の、温かいお湯が少しずつ湧き出るような感じがする。人が人を助ける瞬間には。
とにかくあり難かった。
また助けられ、恩をどうやって返すか、必ず返そうという気持ちでいる。
ちゃんと絵を描いていこう。