お師匠から、あなたがありのままで生きられない理由をみつけなさいといわれて5年。
昨日、新聞にいい言葉が乗ってたよと教えてもらい見たコラム。
"短所ばかり見つめているとマイナスに陥る"
という簡潔な記事だったけれど、
読み進めると寂しくなり、涙が止まらなくなって嗚咽し、とうとう一日中泣いてしまった。
何がそんなに悲しいのかわからなくて、そういう時は仏壇の前を頼る。
あなたを縛っているものがあとひとつはずれない。と言われ続け、なんとなく逃げていたのかもしれない。
思い出してたのは小さい頃のこと。
「お前はいつもだめだ、お前は見た目もおかしい、お前はいつも間違っている、お前はおかしい、ブサイクで滑稽だ、お前の感情を他人に悟られるな、甘えるな」
常に命令や禁止令が下り、この人こそ頼りになる人で美しく正しい人なんだと思っていた。
自分に短所があるのではなく、自分自体が短所だった。私は不出来なもので、導かれなければ良いことが選べないと思っていた。
言い返せば殴られたり包丁をむけられるので、ありのままいることは危険だった。
逃げればもっと恐ろしいことになるとわかっていたから、すぐに何発か殴られた方がマシだった。
それでも心がわかるせいで、あぁこの人も苦しいんだ、本当に私を殺したいわけじゃないんだ。私を可愛がりたい気持ちと愛されない自分とでグチャグチャなんだと、恨めなかった。
愛されなかった人を責めることはできない。
ただ心の行き場はなかった。
私に空いた穴をどうするかがわからなかった。自殺しお師匠と出会って、2度目に生まれたはいいが、自分というものがなかった。
ありのままで生きなさいよ、と言われるたびにわからない気持ちで一杯になった。
人の魂で生きてきたから、あなたは今から自分を取り戻さなきゃいけないと、自分の願いを聞きなさいと言われ続けた。
最後に自分を縛っているものはあの恐怖と呪詛だった。あぁまだ呪われていたんだと気が付いたら、身体がようやく気が付いたと涙を止めさせなかった。
長所はまだわからないけど、絵を描くことはやめなくてよかった。止められてもこっそりと続けていたから。
呪詛の解き方はわかっている。
書いて書いて書いて捨てるだけ。
大きな展示までの心づもりのうち。