名月の折

 

友人から「月がでかい」とのメッセージ。

まだ低く、陸橋がかかって見えなかったが、農道の方に歩いていくと見えた。

小間切れの雲のあいだにあって、より明るく感じた。

また1週間ほど外には出ていなかったが、外はもう稲刈りの後の甘い香り。

あまりにも切ない気持ちになったので、友人としばらく感じたことをやりとりしていた。

「何だかふと、本来いるべき他の場所のことを思い出しそうな、懐かしい気持ちにならないか」

と聞くと、

「とてつもなく久しぶりに、思い出の中にいる、姿の見えない誰かに会ってるような気もするよ」

と言っていた。

あの人は丘の上に住んでいるから、人の家々の頭だけ見えて、もっと切ないのだと思う。

 

 

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