経理事務をお手伝いしていたころに少しご一緒した方が亡くなった。29歳、自分より若い方が亡くなるのは悲しいと聞いていたが、実際そうだった。
おそらくスキルス性の、ステージ4の胃がんだったそうだ。背骨に転移してからはあっという間。私も数日前に聞かされて、数日後の彼の誕生日に逝かれたらしい。
彼はどうしても死なねばならないのかとサイコロを振ってみたら、"空白""物事の始まり終わり'''神"がでたので、ああもう神のところに行くってことなのねと思っていた。それでも認めはしなかった、人間なので。
仕事上直接の関わりは少なかったけれど、休憩時間によく笑わせてもらった。
冷蔵庫の電源をもらってラップトップ作業していたら、冷蔵庫ハッキングしてるんすか?と言われて爆笑してしまったのを覚えている。
私が辞める時にお手紙書かせてもらって、彼の左胸下に氷のつぶてのようなものがあること。あなたが父親にならないのはもったいないから早く結婚した方がいいよと伝えた。
彼の命に必要だったものは、ご結婚された時に揃ったのだと思う。
面白い人だけど喋るたびに氷みたいな音がしていて、そこにギャップがあった。
ご婚約者様がその氷の部分と向き合うことになって、結婚されてからは変わったんだろうなと思う。
連絡先も知らなかったのに、亡くなる前にわざわざ知らせてくれて昔かたぎの彼らしい。しかし早すぎた。